パパイヤが栽培されているのはハワイ島の東南部、今も噴火を続けるキラウエア火山から流れ出た溶岩土壌が広がるカポホ地区周辺。この地域は貿易風の影響で、降雨量が非常に多く、西部の観光地コナの乾いた気候とは対照的。この降雨量の多さが「カポホソロ種」を育てます。
農場は溶岩がゴロゴロと転がる一見農業には不向きな土地。しかし、雨の多いこの地域ではこの水ハケの良い土壌が非常に重要です。ハワイ島には多くの火山がありますが、不思議なことにカポホソロ種が育つのはキラウエア火山が作り出した溶岩土壌だけです。
ハワイで栽培されているパパイヤの殆どは、「ソロ種」と呼ばれるハワイで生まれた品種。ソロ種には雌の花を咲かせる樹と両性の花を咲かせる樹がありますが、農場では電球型の実をつける両性花の樹だけが育てられます。
パパイヤは種をまいてから約6ヶ月で開花し、開花後約6ヶ月で収穫できるようになります。年間を通し、樹の先端部では次々と花が咲き、下のほうでは果実が熟しながらまっすぐ上に向かって成長します。農場では樹が高くなりすぎると作業効率が落ちることから、収穫が始まって2~3年で伐採し、一定期間土地を休ませた後、再び苗を植えつけます。
パッキングハウスはヒロ空港から車で約15分のケアウにあります。各農場から集められたパパイヤを箱詰めし、日本、米国本土、カナダなどに出荷しています。
パッキングハウスの最も重要な仕事が殺虫処理。ハワイを含む多くの熱帯地域には野菜や果物に卵を産むハエがいるため、日本等これらのハエが生息していない国へ輸出するには殺虫処理が必要となります。 ハワイのパパイヤは「蒸熱処理」という薬品を使わず蒸気の熱で殺虫を行う安全な方式が採用されています。
蒸熱処理が終わったパパイヤは輸出用の箱に詰められた後、予冷されます。パッキングルームは蒸熱処理が終わったパパイヤが再びフルーツフライによって汚染されることがないよう、外部から厳しく隔離された検疫エリアになっています。
予冷されたパパイヤは、パッキングハウスからトラックでヒロ空港に運ばれ、ホノルル空港を経由し、日本に出荷されます。