マンゴスチンは一つの品種しか有りませんが、生産国によって食味が微妙に違います。フィリピン産は酸味が強いのですが、タイ産は甘みが強く、適度な酸味と調和して爽やかな風味を醸成します。東南アジア原産のマンゴスチンはタイをはじめ、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどでも栽培されていますが、タイはその気候等の栽培条件から世界一のマンゴスチン生産・輸出国となっています。
マンゴスチンの主産地はタイ東部チャンタブリです。収穫シーズンの4月に同地を訪れると、マンゴスチンがドリアンやランブータンと共に所狭しと並べられ、市場を賑あわせています。タイ東部からの収穫が終わると、南部のチュンポーン、ナコンシータマラート周辺へと産地リレーしてゆきます。
マンゴスチンは多湿を好む植物であるため、プランテーションではスプリンクラーによる灌漑を行います。一方で水はけの良し悪しが品質を左右するため、山間部の斜面に農園を開き、栽培している農家も多く有ります。マンゴスチンは厚い皮に覆われているため、農薬の使用はマンゴーなどほかの作物と比較すると非常に限られています。
生鮮マンゴスチンは2003年4月にタイからの輸出が解禁され、日本でもフレッシュな風味を楽しむことが出来るようになりました。当社ではバンコックからハイウェーで一時間半の場所にあるチョンブリ郊外に蒸熱処理・パッキング工場を建設し、解禁当初からマンゴスチンに取り組んでまいりました。マンゴスチンはその取扱いの難しさから、ハンドリングには高い技術が必要です。当社ではノウハウを蓄積し、最も安定した品質で出荷する体制をとっています。マンゴスチンは大変おいしいフルーツです。その高価な値段がネックとなっていましたが、近年では船便による輸入が徐々に増え、タイの人々が食べているのと同じく、手軽に2個、3個と食べられるフルーツとなりました。